生理前は精神的につらい……その症状PMDDかも!
2025.1.21
毎月の生理前、急に気分が落ち込んだり、イライラしたりすることはありませんか?
その症状が日常生活に支障をきたすレベルなら、それはPMDD(月経前不快気分障害)かもしれません。
PMDDは、その症状の重さから「生理前うつ」と呼ばれることもある深刻な症状です。
今回の記事では、PMDDとはどんなものなのか、つらい症状の対策をご紹介します。
1.PMDDとは[a]
PMDDはPMSの一種で、とくに心の不安定さが際立って強く出てしまう状態のこと。
月経が始まる2週間前ごろから心が不安定になり、日常生活や仕事、人間関係にまで影響を与えるほど深刻な状態に悩んでいる人もいます。
2.PMSとの違いとは?
PMDDとPMSとの違いは、その症状の重さと種類です。
PMSでは月経前に軽いイライラやからだのだるさ、頭痛、腹痛などが見られますが、PMDDでは強い抑うつ感、不安感、情緒不安定、怒りなどの精神的な症状が強くあらわれます。
また、PMDDは月経の周期と症状とが密接に関連しており、生理が始まると症状が緩和することが多いのも特徴です。
3.PMDDにおすすめセルフケア3つ
精神的につらいPMDDの症状ですが、セルフケアを行うことで、症状を軽減できる場合があります。ここでは日常生活に取り入れやすい3つの方法をご紹介します。
3-1.トリプトファンを摂る[b]
トリプトファンは、セロトニン(幸福ホルモン)の材料となるアミノ酸で、気分を安定させる効果があります。
トリプトファンが豊富に含まれる食材はバナナ、チーズ、ナッツ類。月経前には積極的に摂取することで、心の不安定さを緩和する手助けをしてくれますよ。
3-2.自律神経を整える[c]
PMDDでは、自律神経系の異常がみられやすいとされています。
自律神経を整えるためには規則正しい生活習慣が大切。
まずは、十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めるために就寝前のスマホ使用を控えるようにしましょう。
また、湯船に浸かってリラックスすることも、自律神経を整えるのに効果的。
ゆっくり湯船に浸かることで副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなります。
3-3.ストレスをためない[d]
ストレスはPMDDの症状を悪化させる要因のひとつと考えられています。
日常生活のなかで取り入れられるストレス発散方法を見つけてみましょう。
たとえば、泣ける映画や動画を見て意識的に泣く「涙活」[e]はご存知でしょうか。涙を流すことで、心のデトックスやリラックスの効果があるとされています。
また、散歩やヨガなど適度な運動を取り入れるのも心の安定に役立ちます。
4.つらいPMDDには漢方薬もおすすめ
PMDDの症状を和らげるためには、漢方薬も選択肢のひとつです。
漢方薬は心とからだのバランスを同時に整えるので、月経前のイライラだけでなく、月経痛や月経不順など、さまざまな不調の根本改善が可能です。
PMDDの症状改善には、「ホルモンバランスの乱れを改善する」「血流をよくして自律神経のバランスを整える」「イライラを鎮める」「気分の落ち込みを改善する」など働きをもった生薬を含む漢方薬を選ぶといいでしょう。
<PMDDに悩む女性におすすめの漢方薬>
加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力が中程度以下で、疲れやすく肩がこる人におすすめです。
イライラ、気分が落ち込むなど、女性ホルモンの変動によって起こりやすい精神不安の症状やのぼせにも有効です。
桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
体力が中程度以下で、神経質な人におすすめです。
神経が過敏になることで起こるイライラや不安、不眠などを改善します。
月経前に感じる不快な症状には個人差があり、そのときの体調によっても左右されます。症状に合った漢方薬を選ぶには、漢方薬に精通した医師や薬剤師に相談するといいでしょう。
漢方薬の相談先に悩んだら、スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のようなオンライン個別相談もあります。「あんしん漢方」では薬剤師が最新のAIを用いて最適な漢方薬を提案してくれるので、誰でも安心して服用できますよ。
5.セルフケアを取り入れて毎月の不調を軽くしよう
PMDDの症状に悩む女性は少なくありません。しかし、適切なセルフケアを行うことで、症状を軽減することができます。トリプトファンを含む食材を食べたり、自律神経を整えたり、ストレスを軽減したりするなどのセルフケアを取り入れましょう。セルフケアだけでは症状が改善しないという人には、漢方薬の使用もおすすめです。
自分に合った方法を見つけ、毎月の生理前が少しでも楽になるよう、今日からできることを始めてみてください。
この記事の監修者
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)さん
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方
[a] https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/premenstrual_dysphoric_disorder/
[b]https://corporate.yourkins.com/kins_labo/c34/
[c]https://besli.jp/womens-life-design.html
https://banno-clinic.biz/autonomic-nervous-system-and-sleep/
[d]https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/premenstrual_dysphoric_disorder/
[e]https://www.kufs.ac.jp/blog/department/support-center/detail/2202