映画『チェンソーマン レゼ篇』感想レビュー|命を賭けた恋と戦いの記憶
2025.10.17

原作・藤本タツキによる伝説的漫画『チェンソーマン』が、ついに初の劇場アニメ化。
シリーズ屈指の人気エピソード“レゼ篇”が、アニメスタジオMAPPAの手によって壮絶に映像化された。
観終わったあと、胸の奥が静かに痛む——。
それでも、「この物語を劇場で観られて本当によかった」と思わせるほど、
圧倒的な体験がそこにはあった。
イントロダクション
世界が熱狂するチェンソーマン、初の映画化!
絶大な人気を誇るエピソード“レゼ篇”が、ついにスクリーンへ
原作はシリーズ累計発行部数3,000万部を突破し、
現在「少年ジャンプ+」(集英社)で人気連載中の漫画『チェンソーマン』。
著者は、2024年に大ヒットし、第48回日本アカデミー賞にて、「最優秀アニメーション作品賞」を受賞した
劇場アニメ『ルックバック』も記憶に新しい、鬼才の漫画家・藤本タツキ。2022年には、アニメスタジオ MAPPA(『呪術廻戦』『進撃の巨人 The Final Season』など)による
TVアニメが放送され、国内だけでなく、世界中で高い評価を獲得。現在まで200か国以上の国と地域で配信されている。
そして今回、連載当時から熱狂的な人気を博したエピソード“レゼ篇”が映画化。
主人公・デンジが偶然出会った少女・レゼに翻弄されながら
予測不能な運命へと突き進む物語が、
スケールアップした疾走感溢れるバトルアクションと共に描かれる。主題歌は、世界的ヒットとなったTVアニメのオープニングテーマ「KICK BACK」に続き、
米津玄師が再び競演。本作のために書き下ろした「IRIS OUT」が、レゼ篇の世界に新たな鼓動を与えている。恋も欲望も、人間も悪魔も
全てを巻き込むド派手な血戦の幕が、ついに上がる!
引用:『チェンソーマン レゼ篇』公式サイト
ストーリー
悪魔の心臓を持つ「チェンソーマン」となり、
公安対魔特異4課に所属するデビルハンターの少年・デンジ (戸谷菊之介)。憧れのマキマ (楠木ともり)とのデートで浮かれている中、
急な雨に見舞われ、雨宿りしていると偶然“レゼ” (上田麗奈)という少女と出会った。近所のカフェで働いているという彼女はデンジに優しく微笑み、
引用:『チェンソーマン レゼ篇』公式サイト
二人は急速に親密に。この出会いを境に、デンジの日常は変わり始めていく……
観た人が感じた“衝撃”と“余韻”
『チェンソーマン レゼ篇』は、ただのバトルアクションではない。
血しぶきが舞う戦闘シーンの一つひとつが、まるで「感情の爆発」を映したように美しい。
MAPPAによる映像は息を呑むほど緻密で、
特にデンジとレゼのシーンは、まるで夢を見ているような幻想的な美しさだ。
そして、物語の終盤——。
二人の運命を包み込む瞬間、
会場は息をすることさえ忘れる。
スクリーンに映るのは、残酷で、それでも確かに“恋”だった。
観終えたあと、涙が止まらなかった。
「もしあの時、違う選択をしていたら」と考えずにはいられない。
レゼの笑顔と雨音が、ずっと心に残り続ける。
『チェンソーマン レゼ篇』感想レビュー
――観たあと、しばらく息ができなかった。
レゼの声が、笑顔が、雨音のようにずっと頭に残る。
あの優しい表情の奥に隠された真実を知ったとき、心の奥がぎゅっと締めつけられる。
デンジの「好き」という言葉は、どこまでも不器用で真っすぐで、
だからこそ痛いほどにリアルだ。
そして戦闘シーン。
MAPPAの本気がここにある。
雨の粒まで感じられる映像、息を呑むアクション、
そして血の匂いさえ漂ってくるような臨場感——。
けれど、それ以上に美しかったのは、沈黙の瞬間だった。
戦いの後に訪れる、あの一瞬の静寂。
スクリーンの前で、誰もが息をすることを忘れていた。
まとめ|壊れるほどの恋と、静かに燃える希望
『チェンソーマン レゼ篇』は、ただのバトルアニメでも、ただのラブストーリーでもありません。
それは、“生きる”ということに真正面からぶつかる、あまりにも人間的で痛いほどの物語でした。
デンジとレゼふたりの関係は一瞬のきらめきのようで、触れた瞬間に壊れてしまう儚さをはらんでいます。
だからこそ、その刹那の「好きだ」という感情が、観る者の心に深く刻まれる。
映像の美しさ、戦闘シーンの迫力、音楽の余韻。
どれを取っても最高峰のクオリティでありながら、最後に残るのは“静かな痛み”と“どうしようもない愛しさ”。
レゼ篇は、観る人の感情を確実に揺さぶります。
そして、観終わったあとにふと感じるのは、
「人を想う気持ちは、どんな世界でも美しい」という真実かもしれません。
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