夏の脱水、気づかないうちに?体重×〇でわかる、あなたに必要な水分量
2025.8.4


汗ばむ季節になると「水分をこまめに摂らなきゃ」と思う人は多いはず。
その際、自分に必要な水分量はどれくらいか知っていますか?
「水は1日2L」とSNSなどでよく見るけれど、それって本当に正しいのでしょうか?
この記事では、あなたに必要な水分量や、上手な水分補給のコツをご紹介します。
暑さで体調を崩しやすいこの時期、賢く水分補給をして夏を元気に乗り切りましょう。
1. 自分に必要な水分量、どう決める?

からだが必要とする水分量は体格や年齢、活動量によって変化するため、自分に合った量を知ることが大切です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、生活活動強度が低い人は1日あたり2.3〜2.5L、高い人では3.3〜3.5Lが目安とされています。(※1)
ただし、ここには、食事で摂取する水分量や体内でつくられる水分量も含まれています。
食事からの水分摂取は約1.0L、体内でつくられる水分は約0.3Lであるため、これらを差し引いた量が飲み水として必要な量。
おおよその目安ですが、飲み水として摂取する量は「体重×30~40mL」で必要な水分量を導き出すことができるといわれています。
たとえば体重50kgなら1500~2000mLが飲み水として摂取するのに必要な量ということですね。
2. 正しい水分補給のコツ

水はしっかり飲んでいるつもりでいても、タイミングや飲み方を間違えると脱水を防ぎきれないことも。
ここでは、からだにきちんと届く正しい水分補給のコツをご紹介します。
2-1. 寝る前と寝起きにコップ1杯の水を飲む
夜寝ている間にも、私たちのからだは汗や呼吸を通して水分を失っています。
寝る前にコップ1杯(200mL程度)の水や白湯を飲むことで脱水を予防しましょう。
また、朝起きたときの1杯の水は、就寝中に失われた水分を補うだけでなく、腸を刺激して蠕動運動を促すので、スムーズなお通じもサポートしてくれます。
2-2. こまめな水分補給を習慣づける
1度に大量の水分を摂っても、からだが吸収できる量は限られており、余った水分は排出されてしまいます。
そのため、1日に必要な水分量をコップ1杯(約200mL)ずつ、複数回に分けて摂取するのが理想的です。
ポイントは「のどが渇いた」と思う前に飲むこと。
のどの渇きはすでに脱水が始まっているサインともいわれており、環境省の「健康のため水を飲もう」推進運動でも「のどが渇く前の補給」が重要とされています。(※2)
最近は、バッグのすき間に入れられる250mL程度のスリムな水筒なども充実しています。
お気に入りの飲み物をいれて、外出時にも持ち歩くといいですね。
3. 体質改善には漢方薬もおすすめ

脱水対策には、漢方薬を飲むのもおすすめ。
脱水は、体内の水分バランスの偏りや、水分を吸収し調整する胃腸の機能低下が原因と考えられています。
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、脱水になりにくい体質を目指すことができますよ。
脱水対策には、
「水分代謝を改善し、余分な脱水を防ぐ」
「胃腸の機能を回復し、水分の吸収をよくする」
「からだに必要な水分(潤い)を補う」
などの働きのある生薬を含む漢方薬を選ぶといいでしょう。
おすすめの漢方薬
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
呼吸器系や上気道が乾燥して起こるのどの渇き、声がれなどに用いられます。
胃や肺の潤いを補う漢方薬です。
五苓散(ごれいさん)
むくみや吐き気、めまいや頭痛などに幅広く用いられます。
水分代謝を促し、全身の水分バランスを整える漢方薬です。
漢方薬の服用によって心とからだのバランスを整えると、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬を飲むときは自分の体質に合うものを選ばないと、思わぬ副作用が出ることもあるので、医師や薬剤師といった、漢方のプロに相談し、ご自身のからだに適切な漢方薬を提案してもらいましょう。
「もう少し気軽に漢方薬を試してみたい」という方には、スマホ1台で気軽に利用できるオンライン型の漢方薬サービス「あんしん漢方」がおすすめ。
体質診断、漢方薬の提案まで、すべてネットで完結するうえに、薬剤師の選んだ漢方薬を定期的に自宅に配送してもらえます。
暑い季節に外出せずにすむので、今の時期にとても嬉しいサービスです。
4.正しい水分補給で脱水を防ごう
一人ひとりに必要な水分量は違います。
体重や生活スタイルに合った適切な量を知り、こまめな補給を習慣にすることで、脱水を未然に防ぎましょう。
【参考文献】
(※1)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
(※2)環境省 健康のため水を飲もう講座
https://www.env.go.jp/content/900546675.pdf
この記事の監修者

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかりさん
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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